しの田

竹取物語のしの田のレビュー・感想・評価

竹取物語(1987年製作の映画)
4.0
 すごい。竹取物語をほぼそのまま持ってきて、まじめに平安時代をやっているのにも関わらず、ごついSF描写に踏み切った。絶世の美女とか特撮とか、時代と共に廃れていく要素がありながら、上手く演出で説得力のあるものにしている。
 美しさの基準は変わるものだが、美しさをみる人の心は変わらない。今から見るとかぐや姫の眉毛が三角で気になって仕方がないが、立ち居振る舞いとか演出の面で美女なんだな、と受け入れられる。龍とかUFOとかも、瞬間的なカットの連続と光や霧のぼかしではっきりみせないことでうまく誤魔化しとる。し、UFOのデザインが良い。ごりごりに古典的なUFOだけど雅な透かしが入ってて、蓮の形でひっくり返ったのにはテンション上がる。
 しかし、ラストの「八世紀の末のことである」って圧の凄いキャプションと急にエモーショナルなエンディングには笑った。Stay with Me って、そんな映画じゃなかっただろ!あと、不死への欲望ってテーマはどこに行ってしまったんだろう。不死の薬も無かったし。
しの田

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