しの田

狂武蔵のしの田のレビュー・感想・評価

狂武蔵(2020年製作の映画)
4.0
 すごい長回しで延々とアクションを見せられる映画。アクションがそんなに得意でない自覚があるのに、手を出した。どうして、面白い。見られる。
 緊張感のある殺陣が続き、時々武蔵が給水をする。この繰り返しが、用意万全で臨んだ闘いを淡々と遂行していく感じで良い。
 敵役の中に何人か、すごい毛量の人がいて、武蔵は思うところあるのか、そういう人たちには迷いなく脳天をかち割っている。見てると段々、(アイツ斬れるぞ!頭狙え頭!行け、武蔵!!)と分かってきて楽しい。
 あと、時々二刀流モードになったら無性に嬉しくて、「意味ない!意味ない!」と応援してしまう。

 ラストでカット割りを解禁して、武蔵が謎のちっちゃい鎌で闘うシーンも観ると……うん、私はカットいっぱいで接写も多い普通のアクションシーンじゃ目が追いつかないから、得意じゃないんだ。体をどう動かしているのかさっぱり。77分間の、人の動きがはっきりと分かるアクションの方が好きだったかな、と思った。
 序盤の林から平地にかかる辺りの、数十秒のアクション、武蔵の力の抜け具合と緩急がクッッソ格好良かった。何故かそこだけ強く印象に残る。
しの田

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