くりふ

アオサギとツルのくりふのレビュー・感想・評価

アオサギとツル(1974年製作の映画)
3.5
【求愛のピンボールは永遠に】

随分昔、特集上映で見ていたが、アマプラで配信終了になるというので、久しぶりに再見。

これも原案は民話らしい。で、画は浮世絵・水墨画を意識した…と前回みた時、どこかで読んだ。伊藤若冲の影響など、大きいだろうか?

色の氾濫と立体感がなくなり、逆に人物…鳥ですが…の心情がよく伝わるというか、鳥の心の余白にキモチが入るよう、誘っている。ワビサビ要素の混入。

新しい血が入ったなあ、とおもいました。

でも、鳥のデザイン、顔は素っ頓狂に描かれており、擬人化というより、異性物に近い。不可思議な恋心のやり取りは、あるある…だと納得いくのですが。

このアオサギとツルに、人に依り、様々な何かを投影できるものとおもいます。

が、甘く蕩けさせず、バツンと物語を終わらせるのが、ノルさんらしいです。

私は、ノル作品は、アマプラでも『ユーリー・ノルシュテイン傑作選』としてまとめられた6本しか見ていないのですが、本作の後に続く『霧の中のハリネズミ』『話の話』が飛び抜けて凄いと思います。

で、この2本は既に投稿済みだったので今回、追加の感想を夫々、コメントしました。

<2023.4.2記>
くりふ

くりふ