ハレルヤ

ダラスの熱い日のハレルヤのレビュー・感想・評価

ダラスの熱い日(1973年製作の映画)
3.6
とある豪邸に集まったアメリカの有力者たち。国家権力を一家に集中させているケネディ家に不満を抱いており、それはやがてケネディ大統領暗殺計画の実行へと移されていくドキュメンタリータッチの社会派サスペンス。

実際に発生したケネディ大統領暗殺事件。真相は今なお明確ではなく様々な説があり、本作は政治家や産業界の重鎮などが暗殺を企てたという仮説を基にした内容。なので本作はあくまでフィクション。こういうのももしかした真相かもねという形です。

当時のケネディ大統領の政策方針。公民権運動による人種差別撤廃。ベトナムの撤兵。核の軍縮など。いずれもアメリカの地位を下げてしまうのではないか。自分たちの立場も危うくなる。そう危惧した有力者たち。それはやがて現職の大統領暗殺へと舵を切っていく。

その日に向けて綿密な計画を練り狙撃手の訓練。オズワルドという人間を囮として用意する。当時の実際の映像も交えながら、淡々ながらも着々と進んでいく計画。それがまたリアル。

同じくこの暗殺事件を取り扱った映画として「JFK」がありますが、こっちはフィクションながら暗殺者側目線。あの事件から10年後に製作されたというのに驚きでした。作る側も出演する側も結構勇気が必要だったのではないでしょうか。

そこまで娯楽性はありませんが、90分という短さも程よく、実際の事件に切り込んだ作品としての面白さは確かにあると思います。
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