紅茶

パンズ・ラビリンスの紅茶のレビュー・感想・評価

パンズ・ラビリンス(2006年製作の映画)
3.8
オフェーリアが体験する現実と空想はどちらも悲惨な世界に見えるが、空想の世界に行くことは子どものみに許された特権。対して、独裁的な指導者ヴィダルには空想の世界を見ることはできない。ただ空想の世界は過酷な現実からの逃げ場では決してないのも事実。ヴィダルの物語は葬られ、オフェーリアの物語は伝承されていくように、私たちが学ぶ壮大な歴史がどのような形で刻まれるのかという現場に立ち会っているような感じがする。
スペイン内戦を生きる少女というモチーフはヴィクトル・エリセ監督作品に通ずるものはあるが、作品自体は『千と千尋の神隠し』を想起させる。デルトロの描くクリーチャーの造形も斬新で好き。
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