水

パンズ・ラビリンスの水のネタバレレビュー・内容・結末

パンズ・ラビリンス(2006年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

なにこの血塗られたおとぎ話。
よすぎ。

テラビシアにかける橋を彷彿とさせる錆びれたCG本当によい。
「人生はおとぎ話ではないんだし、世の中は残酷なのよ。それを学ばなくては。たとえ傷ついても。」
「魔法なんか存在しないの!あなたにも!私にも!誰にも!」がこのお話のすべて。
魔法は万能じゃないし、オフェリアは生き返られない。
義理の父にいじめられている少女のもとに、ちょっといじわるなフェアリーゴットマザーが現れて、砂時計には間に合わないし、王子様も迎えにこないし、義理の父に殺されて、やっとお城にいける話。
可哀想なプリンセスが幸せを掴んで終わる無責任なおとぎ話なんかじゃなくて、可哀想なプリンセスが可哀想なまま死をもって初めて救われるおとぎ話。

「なぜなら何の疑問も抱かず、ひたすら従うなんて心のない人間にしかできないことだ」と言って、苦しんでいる仲間を楽にして、残酷に殺されたドクター、ブラボー。

大好きだった母親を殺して産まれてきた弟を傷つけるより、自分が死ぬことを選んだオフェリアがおとぎの国のプリンセスになって両親に会えるエンディング、いい。
現実世界になんの希望ももたらしてなくてすき。
あくまでも世界は残酷ってことを教える作品。

悪夢に出てきそうな絶妙に不気味な妖怪がとてもよい。
子どもに見せたら普通に泣く。
水