けーはち

パンズ・ラビリンスのけーはちのレビュー・感想・評価

パンズ・ラビリンス(2006年製作の映画)
3.0
スペイン内戦で父親を亡くし、母親は別の男との子を身ごもっている、ツラい現実をよそに、夜な夜な妖精に連れられ、幻想世界で幸せになるという女の子の暗〜〜いお話。怪獣が出てきて🦖🏙街がピンチだロボット出動🤖ロケットパンチだズガガーン🤖🚀🤜🦖💥っていうパシリムで一躍有名になったが『シェイプ・オブ〜』のデル・トロの作風は元々こうしたダーク・ファンタジー。昆虫🦗からグニャ〜ッと変形する怪奇な妖精などのクリーチャーは類稀なセンスを感じさせる。ファンタジー世界は彼女の妄想とも、彼女にしか見えない現実とも取れる形に巧みに描かれるのだが、「現実逃避のため妄想世界に連れて行ってくれるイマジナリー・フレンド」と、「神話・寓話における試練を課してくる神や妖精などの超自然的存在」は個人的に相性が悪いと思う。「現実逃避のための妄想の中でまでツラい目にあったり騙されたり試されたりせにゃならんのか‼️自分の妄想世界でくらい最高に甘やかして気持ち良くさせろやコラ‼️」とつい思ってしまう(浅い人間で申し訳ない)。それと、内戦の描写だが、独裁者側の悪役である大尉が悠長に反乱軍狩り、拷問、内通者探しとかしてる間に、独裁者圧倒的支配からいつのまにやら反乱軍優勢に変わっており唐突感がすごいし、その間戦局を全く顧みない大尉の浅慮にビックリしてしまう(ダーク・ファンタジーとしての本作における現実のキツさを演出する舞台装置にすぎない戦争の詳細はどうでも良いのだけど、いかんせん映画の奥行きは浅い。年端もいかぬ女の子の主観なのでそれで良いのかもしれないが……)。