ハレルヤ

明日へのチケットのハレルヤのレビュー・感想・評価

明日へのチケット(2005年製作の映画)
3.8
ローマへ向かう特急列車の車内を舞台に、異なる国籍で異なる立場の人々の人間模様を3つのエピソードに分けて描くヒューマンドラマ。

本作の目玉は名匠と呼ばれる監督が3人参加している事。イタリアからはエルマンノ・オルミ、 イランからはアッバス・キアロスタミ、イギリスからはケン・ローチ。同じ映画なのにこれだけのレベルの監督を一同に介せるとは本当に驚き。

1つ目のエピソードは教授の老人が、秘書への想いを通じて昔の恋心を思い出す少し切ないドラマ。2つ目は図々しい中年オバサンと彼女に同行している青年の物語。3つ目はスコットランドからサッカー観戦に向かおうとする3人の青年と難民家族の出会い。

それぞれのエピソード全てが特徴的。誰がどのエピソードを監督したかまではクレジットされてませんが、何となく想像は付きます。

各々の物語が互いに干渉しすぎない程度で重なるのも面白味がありますし、30〜40分程度の長さなのでとても見やすい。

同じ列車の中でこれだけの悲喜こもごも。笑いもあれば悲しみもあり、怒りもあり、涙もある。日常生活での通勤電車の中でも多くの人が乗っていますが、掘り下げていくとこんな話も沢山あるかもしれないですね。そう思うと不思議な気持ちになれる作品です。
ハレルヤ

ハレルヤ