Epi

ガールフレンド・エクスペリエンスのEpiのレビュー・感想・評価

4.0
現代の「乾き」を描くのに、これほどスタイリッシュな作品はない、と思っている。

NY高級エスコートガールのチェルシーは、一時間2000ドルの高額な報酬を払う顧客の注文に応え、それが、歪なことであっても、料金がある限り、要求に対して淡々とこなしていく。

同棲している彼もいて、普段の姿も描いているのたが、彼らの生活は拍子ハズレなくらい“普通“で、愚かでもある。

途中、チェルシーも、とんでもない“エロチック鑑定家“を称する「ブロガー」に、若い子が増えた焦りで不用意に接近してタダマンさせられたり、ちょっと良さげな上客にプロポーズされたり、ドラマの波はあるけれど、彼女の「出来事」さえもフラットに描かれる。

ソダーバーグは、村上龍が様々な物語で描きたかったであろう、乾いた性と欲望と都市自体の「空虚さ」=「渇き」を、全てをフラットに描くことで、浮き彫りにしてみせてくれた。

主演のサーシャ・グレイが、盛り盛りのサイボーグではなく、一見、ごく普通でありながら、時に普通ではない表情をみせるのも、気が利いてる。

絶対実現しないだろうけど、この作品を日本で作り直すとしたら、やっぱり、チェルシーは水原希子だと思う。
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