ホセ・イトゥルビ（ホセ・イトゥルビ）率いる楽団の団員バーバラ（ジューン・アリソン）は妊娠中で戦地から戻る夫を待ち続けていた。そこに妹のマイク（マーガレット・オブライエン）がやって来て、楽団とともに旅をするが、やがてバーバラの夫の戦死を伝える電報が来るのだった。
コメディなんだけど、戦争から戻る夫を待つという、時代を映した切ない話でもある。
タイトルのとおり、随所にクラシック、ジャズの名曲が流れて、音楽が物語を引っ張っていく。ハーモニカの「月の光」が超絶美しく悲しい。
ジューン・アリソンはめちゃくちゃ綺麗なんだけど、いつも元気な印象が、こんなに悲し気な役は初めて見た気がする。
一方のマーガレット・オブライエンは、この頃「若草の頃」なんかでも人気の子役で、わざとらしい笑いと派手な演技が憎たらしい。笑
改めて、このあとの「若草物語」の4姉妹は豪華だったなー。
そして、厳しくも温かいホセ・イトゥルビ。さすがに貫禄あるし、最後の演奏会の表情が最高。
ただ、誰よりもデカッ鼻ジミー・デュランテが見事！キャブ・キャロウェイがよぎるようなコミカルな独演は圧巻だし、マイクと語り合う病院の場面などは味わい深く、アカデミー賞モノの名演だった。
人の優しさがじわじわと伝わってきて、自然と涙がこぼれてしまう、いかにもアメリカらしい名作だ。
