Melko

僕はラジオのMelkoのレビュー・感想・評価

僕はラジオ(2003年製作の映画)
3.8
「息子さんはどこが悪いのか教えてもらえませんか」
「医者も病名はわからないけど、頭の回転が遅い他は、他の人と同じです」

「人のために何かをすることは、間違いなんかじゃない」

実話に基づいた物語……実話なのか!コレ!
ずっとアマプラのウォッチリストに入れてた作品をなんとなく今。

アメフトコーチと、知的障害を抱えた黒人青年のお話
人とある程度コミュニケーション取れるって、人の指示はちゃんと聞けるということは、軽度の知的障害なのかな?
学校の周りをカートを押しながら徘徊する青年は、どう見ても不審者
自分の生徒が彼にちょっかい出して虐めたことをきっかけに、彼に近づき、アメフト部の手伝いをさせるコーチ。
青年は、名前は名乗らないけど、とにかくラジオが大好きみたい。だからあだ名はラジオ

ラジオと交流するコーチには、何か特別な思いがあるようだ。
演じたエド・ハリスの眼差し
この人こんな役もできるのか。

冒頭徘徊してた時は街の人から怪訝な顔をされてたラジオ、人の話はちゃんと聞くし、チームのお手伝いはきっちりこなし、試合も盛り上げるし、一生懸命働く。そして徐々に、チームメンバーを皮切りとして、カフェの店員、警察にまで親しまれるようになっていく。

そんなラジオに訪れる試練
ツラいね……
ちゃんとそこに至るまでが丁寧に描写されてたので、思わず泣きました

一生懸命やっても、なかなか認めてくれない人や、警戒する人、ウザがる人、色々いる
だけど、一度彼の人柄を知れば、あなたも彼が好きになる

だって、誰よりも一生懸命生きてて、日々の全てを楽しんでいる
日常の全てを楽しめる、好きなことに邁進できるという心の受け皿は、神様が彼に与えてくれたギフト
ラジオ役のキューバ・グッディング・ジュニアもよく演じられてたと思う

あとBGMが良いね!
好きな曲がかかるとテンション上がります
試合で気合い入れる時にかかるのが良き◎
Grand funk ♪ We’re an American band
Doobie brothers ♪ China grove
The Edgar winter Group ♪ Free ride
The O’jays ♪ Put your hands together
Etc…

Disabledの方の面倒見るなら覚悟がいるし、やるなら中途半端でなく腰を据えてやらないと。
いつまでもみんないないから、キチンと自分で仕事ができて、誰かの役に立てるようにならないと。
誰かの為に何かをやることの責任の大きさもさりげなく書かれていて。

ラジオご本人が登場するラストは胸が詰まる。ハツラツとした笑顔、イキイキした仕草。元気をもらえそう

調べたら、2019年12月にお亡くなりに…
ホスピスで家族に看取られながらだったと。コロナ直前。すごいタイミング。
孤独ではなかった、良かった
旅立ちを大勢の方に見送ってもらえた
意義ある人生だっただろうか
何もかもを楽しめた人生だっただろうか
そうであってほしい
Melko

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