ドナウ

C階段のドナウのネタバレレビュー・内容・結末

C階段(1985年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

ラフォンの自室には彼の暗部が見え隠れしていて、そんな人間が嫌な奴やってるもんだから見ている分にはさほど嫌味に感じなかった。アルジェやドイツ占領時下の出来事を思い起こさせるような過去を持つ老婦人の自殺によって、差別的で傲慢だったラフォンの心情に変化が起こってくる。この不幸を悼むのはラフォン唯一人で、他の皆はまるで何もなかったかのように何処吹く風。爽やかではあるけれど、自国の傷跡を抉るような描き方や差別はファスビンダーっぽさを感じた。婦人の死によって差別的だった男女の差異や毛嫌いしていたルノワールへの理解など優しく自由に変わっていく。荒々しい現代芸術から古い印象派絵画への理解は過去に想いを馳せましょうというメッセージを感じる。批評家は云々は客観から主観への変化みたいな事かなぁ…爽やかなラストはビッグ・リボウスキ!
ドナウ

ドナウ