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籠の中の乙女のKのレビュー・感想・評価

籠の中の乙女(2009年製作の映画)
3.8

ずっと観たくて放置していた作品。
流石、ヨルゴスさん!
彼の作品の中でも、他の作品と違って性的なシーンが多めだったりと気持ち悪さ(いい意味)が特に現れ出てましたね。

姉妹が無表情でダンスを踊るシーンはやっぱり笑ってしまう。ダンスといっても同じ動作を繰り返すような動き。こういう描写を入れるところ、この監督の好きなところ…。

ラストは不穏な空気を漂わせたまま終わったけれど、私はあの後結局出られないまま同じ生活を送るのではないかと思ってしまう。あれだけ家での独特なルールに縛られていると世の中のルールに違和感を感じすぎてしまうと思うから…彼女にとってもそういう運命であったのだと見ている側に救いを与えない気持ちにさせられた。

あと全体的に静かで、シンプルな空間が独裁的な父親をよく表してますね。そういう意味ではこの仕来りに何も止めに入らない母親が一番抑圧的なのかもしれない……
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