三四郎

ルイ・ブラスの三四郎のレビュー・感想・評価

ルイ・ブラス(1947年製作の映画)
3.0
なんとも言えない…。残念な映画かな。
「ジャン・マレー主演の冒険映画を作って欲しい」という製作者の要求を受けたジャン・コクトーが、文豪ヴィクトル・ユゴーの戯曲をもとにこの映画のストーリーと台詞を書き上げたらしいが…、ジャン・マレーに全く興味のない私には、内容がかなり陳腐に思えた。
ジャン・マレーが一人二役演じることで、彼の魅力を観客に存分に見せたいのはわかるが…。
馬を走らせたり、建物などにスルスルとのぼる身軽さをアピールしたり、決闘シーンがあったり、きっとファンであれば嬉しいシーンばかりなのだろう。

女王役のダニエル・ダリューには、なんだか好感が持てた。彼女の映画をそんなに観たことはないのだが、「惚(とぼ)けた美人」という印象が強い。昔の日本人は彼女のことを「白痴美」と形容したようだが、うなずける。
『輪舞』では、匂うような色っぽさがあり、それがまた似合っていたのだが、この映画においては、そうしたものは全く感じなかった。逆にそれが良かったのだと思う。女王の孤独で不幸な感じが出ていて、しかし哀れというわけでもなく、淡々と演じているところに好感が持てた。
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