義民伝兵衛と蝉時雨

緋牡丹博徒の義民伝兵衛と蝉時雨のレビュー・感想・評価

緋牡丹博徒(1968年製作の映画)
3.2
『続銀幕ロック』で十代の頃から聴き込んだ藤純子の「緋牡丹博徒」。気がついたら自分の中で大好きな曲になっていたが、この主題歌に出会ってから十数年間本編の方は未鑑賞のままだった。4K版にて漸く初鑑賞。主題歌と映像が渾然たる融合を魅せるcoolなオープニングにまず痺れた。女侠客が主人公といった点以外は、任侠モノとして平凡な内容ではあるが、東映役者陣の魅力が相変わらず素晴らしい。藤純子は勿論のこと、待田京介と山本麟一の漢気、清川虹子と金子信雄の重厚な存在感、コミカルな若山富三郎と山城新伍、そしてなんと言っても頭ひとつ飛び抜けたカリスマ的存在感を放つ高倉健。藤純子のひとつひとつの所作にまで漲る美しさにもやはり触れずにはいられない。