大倉順憲

青春の蹉跌の大倉順憲のレビュー・感想・評価

青春の蹉跌(1974年製作の映画)
5.0
神代辰巳監督「青春の蹉跌」(@神保町シアター )を観て。
この機会を逃してしまうと、次にスクリーンで観られるまで生きているかどうかわからないというやりどころのない不安と先立つ後悔に苛まれてしまったので、最終回に駆け込む。
  冒頭のローラースケート場の隅っこで寒そうに顔をしかめて煙草を吸うショーケン、カッコイイ。トレンチコートの襟が半分折れてウサギのマークのようになってしまっているショーケン、カッコイイ。長めの着丈の革ジャンでスキーをするショーケン、カッコイイ。ああ、俺が女だったら抱かれたかった。
青春の夢と挫折、そして彷徨・・・ノスタルジーに感じるかと思いきや、おやおや、共感してしまっているぞ、俺。どうしたことだ、まだ青春気分なのか、いいトシかっさらって妻も子もおらず、ブラブラしている身分の俺は、まだ青春気取りなのか。懐かしの青春映画を観て、我が身を振り返らされるとは思わなかった。
  どうなってるんだ小説は。どうした企画。どっこい脚本。どこへ行くのだ、俺。
大倉順憲

大倉順憲