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不良少女モニカのmat9215のレビュー・感想・評価

不良少女モニカ(1952年製作の映画)
3.5
貧しい少年少女の恋、逃避行、少女の妊娠、結婚、退屈な結婚生活の破綻。こうしたプロットだけ眺めるとあまりにもありきたりだが、そこは巨匠、いろいろな見所がある。中でも、だらだらした逃避行の場面が気に入ってしまった。北欧の短い夏の陽光があふれる海や草原。最初の頃は幸せそうにいちゃつくバカップル。
モニカを演じるハリエット・アンデルセンのふてぶてしい存在感が際立つ。太めの肉体に童顔、脇毛もばっちり生えている。盗んだロースト肉を掴んだまま森の中を逃げる場面など野性的だ。
あと、巨匠は映画の語りが普通に上手い。とくに室内の長回しは、人物の動きとカメラの動きがばっちり振り付けられている。
昨年、クライテリオンのベルイマン全集を大人買いしてしまった。少しずつ観ていこう。
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