不良少女モニカの作品情報・感想・評価

「不良少女モニカ」に投稿された感想・評価

oVERSON

oVERSONの感想・評価

4.5
ネオリアリズムからヌーヴェルヴァーグの文脈を生み出した作品ってことになるのかな。
「親父が入院した」って言っても少しも心配しないモニカ。
2021-110
コモダ

コモダの感想・評価

4.5
痩せ犬の歩く曇った街、車が行き交う埃っぽい道、うだつの上がらない仕事をするハリー。治安の悪い近所や、小さな兄弟ばかりで落ち着かない家、性的な嫌がらせばかりの八百屋で働くモニカ。二人が喫茶店で煙草の火を貸すことをきっかけに知り合い、やがて家や仕事を捨てて父のボートで逃避行を始める。
ボートで身を寄せ合って眠るシーンの、川面の水が揺蕩う音や、揺らめく光が印象的。キャンプ気分で寝袋に寄り添って寝たり、朝起きて川の水で顔を洗い、コーヒーを沸かす幸福感。仕事を辞めた翌日、寝坊したかと思って飛び起きて職場に行く必要がないことに気付き笑みを浮かべる描写が良い。僕も仕事辞めた時こんな感じだった。水面に姿を写すモニカは恐れを知らぬナルキッソスのようだし、よく歌いよく踊る二人の暮らしは堕罪前のアダムとイヴのように見える。
男女の逃避行を描いた映画がたまに観たくなる。どん詰まりの現実から逃れたくて、見え透いた破滅的な結末へとまっすぐに進んでいく。夏の間の束の間の解放感や楽園のような暮らし、世界に二人きりになったような陶酔感も、やがては薄れて、迫る冬の寒さやよるべなさ、先行きのなさや具体的な窮乏に追い詰められていく。原罪により、アダムとイヴはエデンの園を追放され、アダムは苦役としての労働を、イヴは産む苦しみを強いられるようになる。逃避生活中にモニカは妊娠し、食料や燃料が尽きて、夏が過ぎれば二人は元々住んでいた街に帰って夫婦生活を始めるのが新鮮で面白かった。ダンスホールでタバコを吸うモニカ、そして赤ん坊を抱えて鏡に映った自分を見るハリーの、十も二十も老けてような顔のアップの長回し。この頃からベルイマンは顔の撮り方が凄まじい。
桟橋でのダンスや、眩しい光の中で裸で水浴びをするモニカと、それを目を細めて眺めるハリーなど、ベルイマンらしからぬ若々しく瑞々しいシーンが多い前半から一転、後半では後のベルイマン作品にも通ずる、現実が重くのしかかる、息の詰まる夫婦生活が描かれる。若さゆえに忍耐を知らず、貧しさに耐えられずハリーを罵るモニカ。彼女はまだ17歳で、家庭を持つには若く、まだまだ自分の人生を楽しみたいと強く願っている。こういう男女の逃避行者で、男の方が現実的な性格で描かれているのが珍しいと思った。
後の『仮面/ペルソナ』で出てくる、「夫婦とは臆病な子供が寄り添うようなものだ」という台詞が観ている間しきりに頭に浮かんだ。
SN

SNの感想・評価

3.7
ボート、島、結婚後の部屋と限られた舞台の中人を動かすだけでこれだけ空間を作り出せるなんてすごいと思う。
ベルイマンの撮る島はやっぱキレイ
若さゆえのモニカはバッキャロー
わわこ

わわこの感想・評価

3.7
モニカなんて悪いやつだ!とも思うんだけど北欧の夏の勢いを感じる好きな映画。邦題を「不良少女」モニカにしちゃってるのは最悪だとおもう、、この題名だと全て悪いのはモニカになっちゃう。
kazuho

kazuhoの感想・評価

3.6
いい意味でベルイマンっぽくない映画。原題が『SUMMAREN MED MONICA』(Summer with Monica)なのに、どうしてそれを邦訳して『不良少女モニカ』になるのかは分からないけど、かなり奔放で勝手ではある。離島でのモニカとハリーのショットがとりわけ美しい
とみ

とみの感想・評価

3.6
ガッツリ恋愛もの

かわいかったモニカが、ヒスババアと化して嫌だった

原題直訳『モニカとの夏』
人生が狂うひと夏の話
孤独な青年ハリーと不良少女モニカの逃避行。俗世間との関係を断ち、ふたりだけの世界に閉じこもり、燃え上がるロマンス。若気の至り。子供が出来たことをきっかけに、生活費を稼ぐためにも現実に戻り働く決意するハリー。しかし、モニカは現実に戻ることを拒み続ける。

将来を真剣に考えだすハリーと、変わらずに向こう見ずで自由奔放なモニカ。簡潔に表すと、大人になろうとする青年と、子供のままでいようとする少女。自らが望む、成長と停滞。=愛と怠慢。相容れない若き夫婦の思い。刹那的恋愛の果て。現実世界でも目にする光景が、途轍もないリアリティで炙り出されていた。
ropi

ropiの感想・評価

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ガムを噛みタバコ蒸し意地らしい表情のモニカ。家出をして恋人のハリーと刹那的な生活を始める。大胆なキスシーンやボートに水着で横たわるモニカの姿が際どく当時は少なからず物議を醸していたのかもしれない。
お金もない二人は子どもを授かるのだがフラストレーションがどんどん溜まっていく。鏡の中に映る自分を見つめると楽しかった思い出が蘇る…。
mat9215

mat9215の感想・評価

3.5
貧しい少年少女の恋、逃避行、少女の妊娠、結婚、退屈な結婚生活の破綻。こうしたプロットだけ眺めるとあまりにもありきたりだが、そこは巨匠、いろいろな見所がある。中でも、だらだらした逃避行の場面が気に入ってしまった。北欧の短い夏の陽光があふれる海や草原。最初の頃は幸せそうにいちゃつくバカップル。
モニカを演じるハリエット・アンデルセンのふてぶてしい存在感が際立つ。太めの肉体に童顔、脇毛もばっちり生えている。盗んだロースト肉を掴んだまま森の中を逃げる場面など野性的だ。
あと、巨匠は映画の語りが普通に上手い。とくに室内の長回しは、人物の動きとカメラの動きがばっちり振り付けられている。
昨年、クライテリオンのベルイマン全集を大人買いしてしまった。少しずつ観ていこう。
Sari

Sariの感想・評価

3.9
2020/10/13 DVD

デパート・ガールを経て、映画界入りしたが中々目が出なかったハリエット・アンデルセン。
その後ベルイマンに見出され、彼女のために脚本が描かれた作品である。若いハリエットが19歳の少女モニカを 生々しいほど圧倒する演技で見せつける。

「大人は判ってくれない」のアントワーヌ少年を彷彿とさせる
タバコに火をつけたモニカがじっとこちら画面の方を見つめるシーンが恐ろしかった。
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