影屋れい

伊賀忍法帖の影屋れいのレビュー・感想・評価

伊賀忍法帖(1982年製作の映画)
3.6
『伊賀忍法帖』。約四十年ぶりに鑑賞。懐かしい。前作?『魔界転生』は当時テープが擦り切れるほど観ましたが、今作は控えめでした。理由は単純に親の目。魔界転生よりもエログロ描写が多かったので、中々観られなかった…。
ヒロインの扱いは相変わらず酷い印象。心も体も弄ばれてのこの扱いはあんまりじゃないかな。いくら何でも残酷すぎ。城太郎も結局、顔が似てりゃあ良いのかよ…と。散々…。

然しながら、今では見られない日本映画の光と影、陰影を駆使した画作りと特撮技術は素晴らしい。
首切ってからの血が噴水の如くドバーッ!とか中々無いよ
(笑)。

真田広之のアクションが最強に格好良いのですが、千葉真一が全部持って行った感じが強い。
そして中尾彬の目が終始イヤラシさ全開なのがまた凄い。目は口ほどに物を言うとは正にコレでは。
若いおなごを性的に全力で追う意思が感じられて怖気MAX。マジキモい。流石の演技力。

そして丹精込めて造ったセット…東大寺に火を付けるところも相変わらずの頭のおかしさ。この頃の角川映画はやはりキ●ガイじみている。
この狂気っぷりが今の邦画アクションに欠けているところでは無いかと個人的に思うし、もっと金と情熱を持って関係者は作品作りをして欲しい!と再確認できる映画でした。

追伸:ラストの果心居士の何とも言えない切なげな表情と台詞が哀しい…。
影屋れい

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