丸久デパートの社長が社員にスキーブームの到来を知らされ、宣伝強化を指示しているオープニング
・・・って、自分など日本におけるスキーは「私をスキーに連れてって 」(1978年)の原田知世が“起源”だとばかり思ってました(笑)
原田知世は置いておいて、“上原美佐”・・・です
実は何度か観ているのですが、黒澤明監督の「隠し砦の三悪人」(1958年)で雪姫を演じた彼女、新人ながら強烈な印象を残していたので調べると、この後わずか数本の映画出演で“引退”と知りました
その数本のうち本作が動画配信にあり、鑑賞することに・・・しかもこれが最後の出演作です
なので“上原美佐だけ”の理由で鑑賞・・・それ以外の知識は全くございませんので悪しからず
本題です
冬の北アルプス、大学の山岳部の一行、毎年挑み続けている“天狗の壁”ですが、吹雪を警戒し断念
下山の途中、冒頭の丸久デパートの女性社員たちスキー御一行、さらに無謀にも一人で視察に来て倒れている社長とも遭遇、近くの山小屋へ避難します
・・・とまぁ、そこから山小屋の主である未亡人とその下男、そしてなぜかこんなところに“珍入”してきた二人組の拳銃強盗も加わってのドタバタが展開されます
女性たちが、ハイキング気分で雪原にシート広げのんきに飲み食い・・・歌まで歌っちゃって♪「サラスポンダ~、サラスポンダ~、サラスポンダ~、レッセッセ」って、どっかで聞いたことあるんだけど?・・・全然わかんなくっていいです
さらに
さて、実に奇妙なお話でした、ある意味凄いもの見ちゃった・・・みたいな
これ、登場人物たちの“ボケ”具合からコメディだと思って観てたのですが、ホラー(幽霊)でもあり、サスペンス(孤立した山小屋)でもあり、アクション(スキー・犯罪 )でもあり・・・と言いますかどれも“中途半端”な演出に(失礼) しかも何にもない山小屋で盲腸の手術、おまけに輸血まで・・・もはやスリラーです(笑)
俳優陣はどうかと言いますと、ちょっと“おつむ”に来ちゃってる未亡人があの大スター越路吹雪、亡くなった夫(幽霊)と社長の二役に永遠の二枚目上原謙、ゴジラ俳優の平田昭彦、鶴田浩二(友情出演)まで出てますから、大真面目・・・どころか岡本喜八監督(脚本)ですから“一級品”です
これと言った“出番”もありませんでしたが、これで最後の作品となる上原美佐も拝めましたし、良しとしましょう・・・それにしても、もったいないなぁ