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アデルの恋の物語のaminのレビュー・感想・評価

アデルの恋の物語(1975年製作の映画)
4.7
ショット、ストーリー、役者、すべて素晴らしかった。
恋とは多少の差はあれども、どれも普通ではない状態に気持ちが動いていることである。
平凡な人間には、あそこまで執拗に誰かを思うことは出来ない。だからアデルの生き方、何かを追い続ける姿は、思い出すだけで泣けてくる。近年の邦画、『愛がなんだ』でも同じテーマを同じように語っていたが、あれも素晴らしかった。今作においては、ついに対象を目の当たりにしても、判別が付かなくなるところまで行っていることに胸を打たれた。中島敦の『名人伝』を思い出した。窓越しに追いかけ続ける数々のショットも完璧である。昨今の邦画にありがちな、好きな人を追いかける感動恋愛映画? へっ、馬鹿言っちゃいけません。本当の恋の映画ってのはこういうのだぜ。
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