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ブルーベルベットのLEAKCINEMAのレビュー・感想・評価

ブルーベルベット(1986年製作の映画)
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大コケしてしまった前作『デューン・砂の惑星』から見事生還したリンチの復帰作にして代表作。

リンチ映画のオヌヌメ作は?と問われたら、迷わず本作を挙げる人も多かろう。自分もその一人である。(本当は『イレイザーヘッド』だけど・・・・笑)

改めて観ると、リンチテイスト盛りだくさんな作品にしては親しみやすいし、全体的なヴァランスが実に素晴らしい。

みんな大好きクーパー捜査官のまだ初々しい学生の頃や、まだ博士号を取得する前のローラ・ダーンを堪能出来るし、終始官能たる香を漂わせる本作の被害者イザベラ・ロッセリーニや、終始狂った薬抜けホヤホヤの加害者デニス・ホッパー氏のインパクトも凄まじいったらない。(マミーッ!マミーッ!!)

そして作品全体を覆う五十年代の雰囲気がボクを容赦なく夢の中へと誘う。リンチといえば古き良き時代のクラシカルな五十年代のアメリカである。所謂リンチテイストの幕開けである本作は、リンチ第二のデビュー作といっても過言ではない。劇中に流れる本作の鍵でもあるボビー・ヴィントンの「ブルー・ベルベット」や、ボクが愛してやまない(デニス扮するフランクのテーマ曲)ロイ・オービソンの「イン・ドリームス」がボクを羽交締めにして離さない。

でも本作がリンチ史に欠かせない最もな理由は、盟友アンジェロ・バダラメンティ氏の存在であろう。リンチの作品には音楽が付き物である。その重要な側面を担うもう一人のリンチ(ドッペルゲンガー笑)が何を隠そうアンジェロ氏なのだ。リンチ×アンジェロの唯一無二の二人三脚は、アンジェロ氏が亡くなるまで生涯続いた。本作はリンチとアンジェロの記念すべき初タッグ作品である。(R.I.P. Angelo Badalamenti)

アナタも是非ハイネケンを飲みながら、この幻想的で淫らなリンチの世界を漂ってみてほしい。青いベルベットを羽織った、彼女の歌声に酔いしれながら。。。。
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