この映画と同じ1960年に『アパートの鍵貸します』(ビリー・ワイルダー監督)が公開され、5部門でオスカーを獲ったのに対して、本作は無冠だった(いくつかの部門でノミネートはされた)ことを脇目にしながら、どこか愛おしい気持ちが湧いてくる。
そんなものだよなと思いながら、けれど、ジャネット・リーはゴールデングローブ賞のほうを獲ったようなので、殺された甲斐もあったろうな。ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ。監督も同様に。
浮かばれないのは、殺人鬼のノーマン(アンソニー・パーキンス)であり、母と息子が一体化する素晴らしさは、1980年公開の『13日の金曜日』まで息を潜めることになった。
やがて彼は、湖からその姿を現す。