あまのうずめ

イディオッツのあまのうずめのレビュー・感想・評価

イディオッツ(1998年製作の映画)
1.8
カレンは高級そうなレストランに入るもお金が無くてサラダしか頼めないで食事をしていた。店内では知的障害者の誕生会をやっていて、迷惑行為が重なり彼らは追い出されてしまう。一人がカレンの腕を掴み離さなかったことで一緒にタクシーに乗り込むと、彼らはフリをしていただけで、高い食事代を踏み倒すための演技だと明かした。


▶︎ラース・フォン・トリアー監督の「黄金の心三部作」の2作目(公開は3作目)。 映画製作で独自ルールを定めた "ドグマ95" に則り手持ちカメラで撮影され画面サイズも小さかった。

「愚者=イディオッツ」を演じることで、偏見を持つ者と社会に挑戦すると、中心メンバーのストファーの伯父の売物件に住みつき活動するメンバーたちをドキュメンタリータッチで描いている。

イディオッツのイデオロギーは一理あるものの、やっていることは非常識を極め、ダブルスタンダードぶりに呆れるばかり。ただそれを含めて見せているので、嵌って腹を立てるのも違う気もするが不快感は拭えなかった。ラストにカレンだけが嘘の無い人だと分かり悲しさと安堵に包まれた。

秀作と問題作のあるトリアー監督だから、鬼才と呼ばれるのかなと改めて納得した作品。

WOWOWの『ラース・フォン・トリアー監督特集』にて鑑賞。