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レディ・イン・ザ・ウォーターのarchのレビュー・感想・評価

2.1
「おとぎ話の再現、の再現。」

本作はシャマラン自身がかつて創作し、家族に聞かせていた絵本が元となっているそうだ。絵本やおとぎ話を現代における日常に潜ませる形で映画にするというやり口はかなり『アンブレイカブル』に近いものを感じる。家に併設されたプールや雨などの共通点もあるしね。

ただ物語は絵本をそのままに進めたが故に登場人物全てに動機が見られない。なぜ彼女を助けるのか、なぜ管理人の妄言を信じ協力してくれるのか。そういった動機を一切描かない。絵本ならば全ては正しさという指向性を持つために、動機なんて描かなくとも話は進むのかもしれないが、本作においては何故物語が進んでいくのかが見ていて一切分からない。
そして憶測や伝聞という曖昧で確実ではないはずのものが100%の真実として前提にされていくことで観客が置いていかれる始末。
色々とダメな映画としか言いようがない。
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