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レディ・イン・ザ・ウォーターのambiorixのレビュー・感想・評価

1.5
冗談抜きにオールタイムワースト級の映画かもしれない。ファン歴が浅いなりにこれまでいろんなクソ映画を見てきたつもりだけど、そういう作品ですら頑張って探せばどこかしらに褒めるところがあったはずなのに、これに関してはマジで「無い」んですね。びっくりした。
もともとシャマラン監督って、「オチに奉仕するためだけに存在する伏線をいくつもいくつも積み重ね、それをラストで回収してアッといわせる」以外の引き出しを持ってないわけですけど、こと『レディ・イン・ザ・ウォーター』に限ってはおなじみのびっくりオチすらないので、単純に退屈でつまらないだけの映画になってしまった。
そもそもこの企画のきっかけはシャマランが自分の子供に読み聞かせていたおとぎ話が元になっているというから、なるほどそう考えると、韓国人親娘の語る東洋の物語をホイホイ鵜呑みにするポール・ジアマッティのうさん臭い二次情報に乗っかってあげるアパート住民たちの異様なまでの聞き分けの良さにも説明がつくかもしれない。なんだけど、残念ながら映画の観客はシャマランの子供ではないのである。ドメスティックな与太話をわざわざ外に持ってこないでほしい。
さらに恥知らずだなあと思うのが、シャマラン本人が演じる作家の設定だよね。今はパッとしないけれども死後になってから評価されゆくゆくは大統領の思想にも影響を与える…って、どんだけツラの皮が厚いんだよ!? でもって本編には、愛想の悪い辛口な映画評論家という仮想敵まで出てきて、彼が最後どうなったか…てなところまで含めて考えるとすげえ悪趣味に感じる。となると、実際に出来上がったこの映画が作中で殺した評論家からボコボコにこき下ろされ、あまつさえその年のラジー賞までもらってしまった、という事実が本作における唯一の救いだったりするのか…?
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