説教みたいなタイトルにドキッとするが、競輪にのめり込み過ぎて焼け野原になる人々の映画。
内容的に暑苦しい画面なのかなと思ったら、かなりクールでアート寄りな作風。午前中で3シーンぐらい余裕で撮れそうな所を1日かけて1シーン撮りましたみたいな、色んな所から寄って引いてレールのせて、照明作り込んでみたいな金は無いけど時間はある的工夫しすぎな画面が続く。
スカした画面構成に反比例していくかのように、渡辺美佐子さん扮するダンサーに成りたかった極道の妻の最初は世の中見切って全てわかってるみたいなクールさが格好良いのが、どんどん人間味出しすぎて剥き出しになっていく様がアンバランスで引き込まれる。
時には彼女の太ももにある刺青とか、妙なお笑いポイントもツボになる。
演出、脚本、撮影、配役の「なにこれ?」観は今見ると非常に大穴である。