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アバターのvilljobbaのレビュー・感想・評価

アバター(2009年製作の映画)
3.0
なんでこんなインパクト薄そうな映画が興行収入最強になったのか。
疑問だったけど観てみて分かった。
これは映像がスゴイ。

そして、3D映画館で観ないと意味がない。
普通にPCの画面で見ると、ファンタジーな世界で人類史を皮肉ったストーリーを展開するSF。それで終わってしまう。

以下、ネガティブな感想。

正直、主人公を全く好きになれなかったので、それほどおもしろいとは感じなかった。
未知の異人種に対して初対面からデリカシーが無いし、尊敬のカケラも見えない態度をとり続ける。ナヴィ族の女性もドン引き。なのになぜか大いなる存在に選ばれし者と名指しされて周りから認められるとかいう謎展開。
こんなにも閉鎖的で誇り高い民族の一員として仲間入りを果たすのに、当たり前のように英語を喋り続けてていいの?ナヴィたち、君らはそれでいいの?
設定的には難しすぎて数か月じゃ習得できないと書いてあったけど、調べてみたら普通に人類の言語の理解の範疇。設定的に難しいなんて言い訳にならないよ。最後通訳してもらってた演説なんて、簡単な文法が分かればOKじゃないか!
1人の異人が他民族のコミュニティに入って皆に受け入れられることは、こんな簡単じゃない。本作の主人公は態度のデカいアメリカ人観光客と何も変わらない。
日本のおじいちゃんおばあちゃんだらけのド田舎を想像してください。
彼がそこに溶け込めるとは思えないです。

悪役となる民間軍事会社のオトコたちも、シンプルにムカつく。
ムカつくというのは悪役としては誉め言葉かもしれないけど、本作ではただただ不快な気分になったので個人的に受け付けなかった。

悲しいのは、本作では先住民たちにとってハッピーエンドだったけど、実際の歴史ではバッドエンドに終わった例がたくさんあるということです。
ただ、そのバッドエンドを担った主な国のひとつであるアメリカがこの映画を製作して、それが爆発的にヒットしたということに喜びを感じます。

映像は美しかったので高めの点数。
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