このレビューはネタバレを含みます
ある幸せな家族に、突然届けられたビデオテープ。
ビデオテープに写っているのは、外から盗撮されている我が家。
ただ、遠くから家族の出入りを見つめているだけの固定カメラ。
人が抱える罪をテーマとした作品。解釈を観ている側に委ねるラストに、呆然。突きつけられる感じが、さすがハネケ監督。
明確な答えはないが、以下感じたこと。
犯人が望んでいたことが単純な復讐だったら、もっとラクだったはず。
それよりも、忘れていた記憶と徐々に向き合わせることを通し、「罪や罪悪感を与えたい」「何を奪ったのかを思い知らせたい」「今ある幸せは誰かの犠牲の上に成り立っていると認識させたい」と、じわじわと締め付ける感じが恐ろしかった。
ビデオテープは、ある意味、踏み絵のような物だったのだろう。
主人公がこれからの人生背負っていくことを考えると、重い。