デジタルリマスター版で。昔見た時は、ラストのマルチェロは完全に錯乱しており、本当にリノが“暗殺の森”に居たのか、そもそもあの男がリノかどうかも分からない・・みたいな受け取り方をしていたのだけど、今見てみたらあれはやっぱりリノなんだな。
ということはトラウマが偽の記憶を作り上げていたということで、信頼できない語り部が主人公のミステリーみたいな映画なんだなと思った。
異常なまでに「普通」でありたいがためファシストになった男が右往左往する様は憐れで滑稽で恐ろしい。ラストが意味するところは今でもよく分からないけれど、結局彼の根源は自分が同性愛者であるという異常(この時代、マルチェロ本人の認識としての意です)を恐れてあがいていたということなのかなと思った。