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暗殺の森のmahirunoahiruのレビュー・感想・評価

暗殺の森(1970年製作の映画)
5.0
 再鑑賞。うーん大好き!!好きな映画並べる時にはだいたいラストエンペラーのほう優先しちゃって(中国が好きなので……)、勝手に一監督一作品しばりなので暗殺の森って言うことあんまりないんだけど、暗殺の森もめっちゃ好き!!
 こと暗殺の森に関しては好きポイントが視覚的なものに偏重してしまうのは仕方ないと思うんだけど、下記、絵的にめちゃめちゃ好きなところ。
・役所で職員が彫像運んでるところ。これ初見の時からすごいウテナだし幾原っぽいと思ってるんだけどうまく説明できない。
・精神病院のお父さんの萌え袖拘束服。ほんとかわいい。着たい。
・ゲイの運転手の車に乗り込むところの生け垣の道。ほんと好き。あとゲイがちゃんとサスペンダーしてるの好き。ゲイ、本当にサスペンダーしがちなんでしょうか。
・クアドリ教授の部屋で洞窟の話するところ窓からしか光源がなくてすごい迫力ある。
・中華料理屋さん。ちまちましててかわいー。お箸使えてない。ひとりで単品料理食べてるマンガニエッロくんもいい。
・後日談でムッソリーニ辞任のラジオが流れてるところ、沈鬱な大人達の間を小さな法皇様が歩き回って、キスで新たな時代を祝福しているのだ……と初見で思ってしまって合ってるかはわからないけど絵画的で好き。あと泣いてるおじいちゃんの顔がめっちゃいい。こういう顔の人いるよね、イタリア。
・後日談部分の地下回廊みたいなところなんなの?ほんとに第二次世界大戦までこんなとこあったの?めっちゃ好き!!!
 私はけっこう映像作品を倍速再生してしまう人間だが、暗殺の森はむしろ一時停止しながら観たい。全カットが美しすぎる。どっちにしろ時間芸術の破壊なので私は地獄の火に投げ込まれる。
 あ、あとマンガニエッロくんが好き。健気でかわいいし三枚目って感じの顔が好みだし、名前にマンガとエロが入ってるのが肩の力抜けていい味わいよね。

=====以下ネタバレ=====

















 初回観た時はお話がわりと「???」で(主軸とあんまり関係ないBL描写は一体……とか、クアドリ教授を殺した罪をリーノになすりつけるのとかめっちゃ謎だった。最後の行進に飲み込まれるのも)、鋭い友人に「幼い頃に正常から外れてしまった主人公は正常になろうとしてファシズムに傾倒するけど、ファシズムが多数派じゃなくなってしまって拠り所を失って、そこに自分の悩みの元凶であるリーノに偶然出会って、自分の過ちはすべてリーノのせいなのだと罪をなすりつけた」って教えてもらったりした。なるほどなー。だからファシストの、本当は何も正しく判断できない盲目の友達のことを憎み、最後は時代の流れ(行進)に飲み込まれていくのだね。盲目コミュニティと仲が良かったのは、自分が正常でないことを見破られないためになのかな。
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