二次大戦末期のイタリア。ファシストの青年”マルチェロ”にかつての恩師の身辺調査の命が下された。
恩師の若き妻”アンナ”に惹かれた彼は…。
静謐ながら不気味な、「冷血」をそのままロケーションとして選択したような構図にとても惹かれた。
その構図の中で妖しく登場するドミニク・サンダがまぁ美しい。
あのシーンが強烈すぎて、その後登場する彼女にはマルチェロが抱くほどの魅力を見出すことが出来なかった。
全編に渡って散見される「射す光」が主人公マルチェロの心には射しこまないことの虚しさ。
光の中にいるよりもやはり暗闇の中でしか、彼は彼なりの救済を見出すことは出来ないのだろうか。