なすび

暗殺の森のなすびのレビュー・感想・評価

暗殺の森(1970年製作の映画)
5.0
西洋古典学の集中講義にて、プラトンの思想が用いられているとのことでみんなで見た。原題のil conformistaとは迎合主義者という意味、確かに「暗殺の森」の方が映画タイトル映えするが映画鑑賞後だとかなりあたまわるいタイトルだな…と思ったり。

映像美半端ない!!!次々と現れる美しいカットに目が奪われる、画が見事にカチッカチッとはまっていて何枚もの絵画を見ているような気分。それでなくても分かりにくい話の内容を理解するには困難だが少し置いてきぼりな分想像が膨らんでたのしかった。心に残るシーンが本当に沢山あるが敢えて挙げるなら、ファシズムの館みたいなところでの階段から降りるマルチェロと動く彫刻、右にも人がいるシーンがだまし絵みたいで面白かった。その他父親の精神病院のシーンやダンスシーン森のシーンどれも面白すぎた!!

ピエールクレマンティは相変わらずきもちわるい役で好演。帽子を脱いで頭を振ると隠されていた長髪がパラパラリ、鳥肌!長い手足と白い肌、かっこいいのに気持ち悪い素晴らしいね。

主人公(ジャンルイトラティニアンって「男と女」「愛、アムール」の人か!)の歩き方がかっこいいし着こなしも素敵だし女性陣もとても魅力的、ジョークのセンスもなかなかだしこの映画文句のつけようがないくらい好きです。もっといろいろ語りたい所があるなぁ。
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