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カンバセーション…盗聴…のsnatchのレビュー・感想・評価

カンバセーション…盗聴…(1973年製作の映画)
4.0
この男…
人を信じない、同僚も女性にも、家族の気配も一切無い。遊びも飾りもない。ただただ盗聴技術の世界で彼に秀でる者はいないという自負と高額な報酬に見合う仕事の完璧さで出来ている人物。そして絶対に自分自身については漏らさない秘密主義者←プロフェッショナルだが人間的な魅力というものが欠けている。
毎日を慎重と疑心暗鬼で固めた男の殻に亀裂が入いる。
心が咎めたある盗聴テープの存在…この後、自らが引き起こしていくサスペンスがえぐい‼︎
この盗聴男の頭の中をループするあの会話がどんどん怪しく聞こえてくる。ずっと気になり続けるジーン・ハックマンの心理行動に張りつくピアノの旋律も戦慄、自分もやがて彼に同化していく。
入念な性格描写はしつこいくらいだが、意外にナゼか女の人に寄りかかるのは、マザコンなのかなあ🙄十字架じゃなくてマリア様だし…🙄
盗聴を表現するような影や暗闇、尾行しているようなカメラワーク、34歳の時のコッポラの映画作りへの貪欲な映画表現への探求だと思いました。
まさかのホラーすぎる描写と😱あの真実😱そして最後の5分間⚡️神にだけ打ち明けていた思いも壊し自分もぶっ壊れ、あの部屋に流れる音響と絵面がガーン‼︎ 渋すぎるでしょー‼︎🤩

感銘を受けた「ようこそ映画音響の世界へ」の表紙を飾っていた編集・音響デザイナーのウォルター・マーチさんのインタビュー書籍「映画もまた編集である」に、この映画は全部のシーンを撮り終える前に日数も制作費も使い果たし、コッポラは「ゴッドファーザーPARTⅡ」の制作に入らなければならなかった、そこからどうやって完成させたかを詳しく話されていて←ジーン・ハックマンの腕と自分の腕4本が編集している錯覚に陥った話しも面白かった! そしてとうとう今夜この映画をついに鑑賞。本と共に映画作りの妙技深さに唸りました🎥
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