CHEBUNBUN

知られぬ人のCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

知られぬ人(1927年製作の映画)
4.0
【抱擁への渇望】
「死ぬまでに観たい映画1001本」掲載のサイレント映画。

サイレント映画は苦手なのだが、これは凄まじかった。ロン・チェイニー迫真の顔芸により恐ろしくも切ない映画となっている。主人公の腕なし男は、サーカスで生計を立てている。華麗に足の指を使って、銃やナイフでパフォーマンスをする。そんな彼に好きな女性ができた。抱きたいけど抱けない、そんな欲望を刺激するようにライバルの男が現れる。では、「抱かれるようにアクションを起こせばいいのでは?」と思うのだが、できない理由が中盤で明かされる。それにより、さらに欲望が強烈な渇望へと切り替わり、それを具現化するように壮絶な拷問が行われる。

よくこんな話思いついたなと今観ても色褪せない脚本にも痺れた。こういう出会いがあるから「死ぬまでに観たい映画1001本」フルマラソンはやめられない。もう何度も書いているが。残り21本。
CHEBUNBUN

CHEBUNBUN