このレビューはネタバレを含みます
イランの子供達はいつも宿題に追われていると感じたアッバス・キアロスタミ監督。
自らインタビュアーとなり子供達に話を聞くドキュメンタリー。
子供達への質問は誰が宿題を手伝ってくれるのか、どうして宿題ができなかったのか、褒められる事、叱られる事などなど。
たくさんの親たちが文盲である事がわかった。
監督の他の作品でもその事は描かれている。
叱られる時はどの子もベルトで体罰を受けていた。
姉や兄は宿題を見てはくれるが、ぶたれたり、引っ掻かれたり。
病気の母親の代わりに家事を手伝ったり、
宿題が多すぎて追いつかない。
読み書きが出来る父親が在宅時間が少ないなど。
親も仕事の疲れでイライラしていたり。
でもアニメより宿題が好きだと言う子がほとんどだった。
男子児童ばかりのインタビューだったが女子児童はどうなんだろう。
監督の他の作品でも女の子のそういったのは描かれていない。
お国柄なのだろうか。
外国に住んでいたという父親のインタビューではイランの教育事情のギャップに驚いていた。
日本の教育の話も出てきた。
印象的なのは大きくなったらパイロットになってサダムを殺すという子供がいた。
皆んなの家を壊したからだと。
そしてもう1人、マジッドという子供。
監督の質問に最初から泣きべそをかき答えられない。
帰りたいと言い出す始末。
インタビューを受けた友達のモライに事情を聞くと彼は悪戯な子で勉強もできなかった。
先生にこっぴどく定規で体罰を受けたと。
だから監督たちが定規を持っていると思い怖かったのではないか言う。
そんな事、日本でやったら大問題。
監督の映画は大人には絶対的に逆らえない子供たちが描かれている。
「友だちのうちはどこ?」
にも出てくる封建的な大人たち。
その子供たちが大人になり同じ事を繰り返す。
この連鎖は続くんだろうな。
出演している子供たちは皆んな可愛かった。
アッバス・キアロスタミ監督作品