Osamu

チャイニーズ・ブッキーを殺した男のOsamuのレビュー・感想・評価

4.0
思いがけなく人生を観る映画。

ショー・パブのオーナーであるコズモの、だらしない物語。

コズモの破滅に向かって行く様とショー・パブの舞台の様、この二つで構成されています。

引き返せるところで引き返さないと大変なことになっちゃうよ、という場面で突っ込んでしまうコズモ。確実に破滅に向かって行きます。でも、大して悲観的に感じないんですよ。意味があるのか無いのか分からないようなおしゃべりに紛れてしまうんですね。そのおしゃべりが何か独特なものですから。

一方の舞台。くだらないんです。結構グダグダだし。けれど、コズモの舞台への情熱が終盤に向けて盛り上がって行きます。破滅への恐怖を否定するために、本来は大して大事に思っていないはずの舞台に情熱を注いでいるように見えました。

そんなこんなで気が付くと、舞台が本当の人生のように見えてきたんです。一方の破滅の人生がニセモノのように感じられてきました。

人生なんて、自分に付けられた役割を演じるだけなのかもしれません。つまり、舞台の上の演者と同じ。

そんなことを感じました。

これが精一杯の感想です。
正直なところ、よく分かりませんでした。分からないのですが、「分かりませんでした」の感想では勿体無いと思ってしまう、何だか分からない魅力を感じて、観直したのです。でも、観るたびに違うことを感じてしまいました。

この感想も観るたびに書き直したver.3です。キリが無いので、これで校了にしたいと思います。

カサヴェテス監督作品、奥が深そうです。僕にはまだまだ分かりません。
Osamu

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