これ！子供の時に観て衝撃過ぎたＳＦアニメ。まさかタツノコプロだったとは。

末っ子で世間知らずのちょっと天然が入ったお嬢様気質のうちのお母ちゃん。
やたらとおしゃべりで「なんで？」「どうして？」ととにかくうるさかった小さい頃の自分。

たまたま立ち寄ったビデオショップで「この漫画（アニメ）観たら地球の誕生の秘密がわかるかもよ？」とおれのなんでどうしてを少しでも減らそうと目論んだのか、ビデオを買ってくれたお母ちゃん。

まさか裸の姉ちゃんがたくさん出てくる超マニアックでニッチなアニメだったとは。
このFilmarksでさえ鑑賞した人が現時点でまだ自分を含めて5名というニッチぶり。
今こうして振り返ってみると色々ともう、、、

でも、いいアニメでしたよ！！
肝心の地球誕生の秘密は分からなかったけど、なぜなになちびっ子だった自分も流石に裸の姉ちゃんにツッコミを入れるのを憚らせるくらいの説得力があった良作かと思います！

これ欧米のB級アニメ化と思ったら思いっきり日本産だった。絵柄のバタ臭さがヘヴィーメタルとか時の支配者みたいだが、制作はタツノコプロだ。キャラクターデザインが天野喜孝。天野にしても従来のデザインより更にリアルに寄った感じする。でもビーヴォー系のリアルさともまた違うんだよねぇ…。

制作はタツノコだが、監督や脚本は実写系の人のようだ。70年代までは劇場用作品の監督はアニメ畑の人材に任せないことが多かったが、80年代からアニメ演出家が台頭してくる。その意味では、アニメーション映画の製作の仕方そのものが時代遅れな作品だったんだよね。

核戦争後に地球が荒廃して住めなくなり、人類が宇宙船で他の星を目指した未来。まぁよく有る設定だ。
宇宙船の中では管理社会が徹底しており、人々はカードで配給を貰う。そんな中、主人公のウィルは高校卒業に日に、地下に住む自由な大人達に出会う。
チーフと呼ばれる男を筆頭に、アンチマターを採取して政府に献上するという裏の仕事を請け負っている彼らに憧れ、ウィルは彼らに船に密航。無理矢理仲間入り。
ウィルは宇宙船内で謎の電波をキャッチし、勝手にワープ機能をいじり彼女のいる惑星に向かう。
そこにいたのは羽の生えた裸の美女たちと、彼女らが敬う“主”と呼ばれる存在だった…

まず。裸の多さに驚く。そもそも冒頭で宇宙船内の管理社会による性処理として、脳内で性体験するというシーンが描かれる。♂♀マークで表現される脳内セックスが痛々しい。
この、妙に中途半端なアダルト路線は誰によるどういう意図だったのだろうか？絵柄のリアルさもあるし、プロデューサーが海外市場を見込んだのかな？それとも監督の趣味嗜好なのかな？

そして主人公の小僧ウィルの協調性の無さに震える。そりゃ大人が怒るよってくらい勝手な単独行動を繰り返す。

その後、主と呼ばれる男は女達を子孫繁栄のためにハーレム状態で管理していること、男達はサイボーグにされていたことが判る。主を名乗る創造主な存在なのだから当然キリストをモチーフにしているんだろう。そしてこの星が元々地球だったことも判る。さ…猿の惑せ…

主はヒロインであるフローラだけをチョイスし他の女達を全部切り捨てる。フローラを助けるためウィルが戦い、大人達が助け死んでいく。ウィルのせいで…

おおざっぱな物語とSF設定、これにアダルト路線が組み合わさったある意味希有な作品。

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