rage30

バーディのrage30のネタバレレビュー・内容・結末

バーディ(1984年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

鳥になりたい男の話。

戦争によって心が病んでしまった男の為に、親友が2人の思い出を語っていきます。
その為、劇中のほとんどが回想シーンになるわけですが、鳥に憧れる男の話はなかなか興味深かったですよ。

主人公バーディの鳥が好きすぎる余り、異性に興味を持てない…性的志向が曖昧になる感じはさかなクンを思い出したし、ニコケイ演じるアルとの奇妙な友情も印象的。
ニコケイのキャリア的には最初期の作品になりますが、最後の独白シーンはいつものニコケイ節が炸裂していて、ファンとしては嬉しいものがありました。

ただ、この2人の回想話と戦争によるPTSDがイマイチ噛み合わないと言いますか。
見終わった後に、一体何を言いたい映画だったのか、よく分からなかったんですよね。
鳥はまぁ自由のメタファーだったんでしょうけど、だったらPTSDよりも軍隊の規則に抑圧される姿を描いた方が対比になったんじゃないかな~。
心が病んだという設定が欲しいだけなら、別に戦争である必要もないし、そのせいか、反戦的なメッセージも弱かった気がします。

ラストのあっけらかんとしたオチは、意外性があって驚かされました。
直前までシリアスなドラマを構築しておいて、最後の最後で期待を裏切るという。
振りの効いたギャグであると同時に、バーディが鳥になる事を諦め…文字通り、地に足をつけて生きていく事を暗示しているのかもしれません。
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