ベンジャミンサムナー

101匹わんちゃんのベンジャミンサムナーのレビュー・感想・評価

101匹わんちゃん(1961年製作の映画)
2.5
 Disney+で『クルエラ』の見放題になったけど、思い返せば元の作品をちゃんと観たことなかったので先にこちらを鑑賞。

 アニメとして初めてトレスマシンを導入した作品なので、そのメリットを誇示するように、99匹もの子犬が登場する児童文学を題材に選んだのだろう。

 しかし、それほどの子犬が登場する事が、同時に作劇の面では足かせになっている。

 物語後半はポンゴとパーディタが99匹の子犬を引き連れての逃走劇になるので、テンポが鈍重。

 そして何より、子犬の中でも個性が描かれるのは2、3匹ほどしかおらず、あとの97匹は「画面を"カワイイ"で埋め尽くす」ためのお飾りにしかなってない。
 原作がそうだからとはいえ、80分の尺じゃ(いや、2時間あったとしても)99匹の子犬を持て余すのは最初から明らか。
  
 ラストは、子犬たちがロジャー達のところに戻ってきてメデタシメデタシで終わるけど、クルエラは別に死んだわけでも逮捕されたわけでもないから、また誘拐されるリスクを孕んだままじゃん。

 この時代のディズニーは最新の映像技術を次々投入していたけど、本作に関してはそれが物語に貢献していない。

 真っ赤な室内やピンクの空等、ところどころ色彩が独特。