あまのうずめ

ダンサー・イン・ザ・ダークのあまのうずめのレビュー・感想・評価

3.9
1964年、ワシントン州。チェコからの移民セルマは工場で働き内職もこなして息子ジーンを育てるシングル・マザー。仕事帰りには同じ工場で働く友人のキャシーとミュージカルの稽古をして帰る。弱視だが必死で生きる彼女は隣のビル、リンダ夫妻やジェフらにも見守られている。ビルはある日お金を貸してくれないかとやって来る。


▶︎ラース・フォン・トリアー監督の「黄金の心三部作」の3作目。カンヌ映画祭ではパルムドールとビョークが主演女優賞を獲得したミュージカル映画。音楽はビョークが担当し、アカデミー賞では歌曲賞でノミネートもされた。2回目の視聴。

見終わってやりきれなく、ズドンと落ちる作品の代表的存在。何故あの時抗わなかったのかと、秘密の共有とはそんなに重いものなのかと、また思い、母とは命の連続とはと、また考えた。感想を言葉にするのが難しい作品だ。

セルマの空想でのミュージカルシーンでは色調が変わり心情が良く表現されていたこと、工場などのリズムに触発されて歌うビョークの歌唱に惹きつけられた。色んなミュージシャンにカバーされている劇中ミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」の "my favorite things" のビョーク版も聴け、安定の主演のウド・キアーも見られる喜びもあった。

WOWOWの『ラース・フォン・トリアー監督特集』にて鑑賞。