りょうすけ

ファウストのりょうすけのネタバレレビュー・内容・結末

ファウスト(1926年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

「ファウスト」

107分版。「吸血鬼ノスフェラトゥ」「サンライズ」のムルナウがゲーテの「ファウスト」を1926年に映像化した作品。
とにかく映像がすごい。天使と悪魔が対話する圧巻の映像から始まり、その後に描かれる映像もCGだらけのSF作品よりも迫力がある。「これが映画だ」と言われたら納得してしまう様な作品が100年も前に作られていたとは非常に驚きである。
「ファウスト」はシュヴァンクマイエルのとソクーロフのは観たことがあるのだが、内容が自己解釈になっているのか全部違う様に感じる。どれが一番元に近いのかは気になるし、流石にそれくらい知っていなきゃいけない様な気がするので原作に手を出す機会なのかもしれない。
暗闇に目を光らせて登場するメフィストがすごく印象的だった。サイトレント時代にありがちな演出なのかもしれないが、表情の演技が凄かった。ちょっとオーバーに演じていたと思うし、それなりに見た目が個性的な俳優を使っている気がする。
キスからの昇天と全てを解決するのは愛であるというメッセージで終わるラストがエモすぎた。もっとおどろおどろしい物語のイメージの作品だったが、これ以上に美しい作品はないと思えるほどの映画だった。
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