ダルマパワー

おおかみこどもの雨と雪のダルマパワーのネタバレレビュー・内容・結末

おおかみこどもの雨と雪(2012年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

とてもよかった。

様々なテーマ性があり、人と狼が混ざりあうファンタジーなストーリーを軸に、一人親の苦労や家族愛、田舎暮らし、自然、学校生活、友達、子離れ、一人立ち。2時間という短い時間のなかで、人の成長を時間経過とともにゆっくりと感じさせてくれる、沢山の彩りある作品。

2Dと3Dの融合という映像技術としての試みも面白い。やはり軸は2Dであり、でもだから、本作の素朴で懐かしい味が光ったんだと思うし、また3Dの補足によって、山や雪景色を疾走する際のスピード感や自然の流体物の美しさが映像を盛り上げてくれていたと感じる。

強いて言えば、もう一歩踏み込み、素朴さや温もりだけでない、映像美としてのヒーローショットが幾つか見られたら、更に見応えが上がったように思う。

全体を通してとても前向きな内容で、温かい気持ちになり、そして背中を押される気持ちにもなった。

子供だけでなく、子供を持つ親が見ても、きっと感じることのあるストーリーだったと思う。

いい意味で万人受けのする普遍的なテーマを、真摯に描かれていた。嫌みったらしさも、説教臭さもなく、背伸びをしてる様子や格好つけも感じず、出演する老若男女、そして狼達の、自然でリアルな言葉遣いが心に馴染む、素晴らしい作品でした。別の言い方をすれば、細田監督の人間性が垣間見れたように思います。

声優さんたちも本当に素晴らしかったです。
ダルマパワー

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