三樹夫

コピーキャットの三樹夫のネタバレレビュー・内容・結末

コピーキャット(1995年製作の映画)
2.9

このレビューはネタバレを含みます

サイコサスペンスブームの中で作られた一本。トラウマが元で屋外へ出れなくなった犯罪心理学の教授と刑事が協力して、過去のシリアルキラーの殺人を模倣したやり方で殺しをしてく殺人鬼を追うというもの。
サイコサスペンスが流行ってるらしいからいっちょやっとくかという低い志で作られたのではと邪推するような出来の作品。演出が色々とチープで、ナイフをペロッと舐める殺人鬼だったり、女の子の画像を拡大しながらニヤッと笑ったり舌なめずりをするという安っぽい演出。ラノベアニメに出てくるなんちゃって狂人みたい。カメラをせわしなく動かすMTV的撮影手法はどうしてもフィックスに比べて重厚感は下がり軽い感じになる。そういえば『ボーン・コレクター』も同じ轍を踏んでいて、同じく微妙な出来だった。
刑事二人は嫌な奴もいいとこで、目の前で過呼吸で倒れたら、あれどうしちゃったのプークスクスと嘲笑しだすというクズっぷり。護衛の警察も外で他人の車のアラーム鳴ってるから直しに持ち場を離れる(わざわざ持ち場を離れるほどのことか)、持ち場にいてもあっさり殺されるというカカシっぷり。
シガニー・ウィーバーの屋外に出れないトラウマの元ネタは『めまい』かな?描写方法および克服法を観て『めまい』を想起した。

警察内部から情報漏らしてる奴がおるかもしれん、ヒッピーの女の子に固執してるかもというので、相棒の若刑事、同僚のおっさん、上司のおっさん(ウッドストック何十周年の番組を観ていた)が犯人かも、誰が真犯人なんだというフックがあるが、ふたを開けてみたらそのまんまメガネ君かいという肩透かし感。一応トイレ首吊り男が裏で操っていた黒幕ではあるが。相棒の若刑事が裏で操っていたのかなと思っていたら唐突に死ぬし。唐突っていうか無理矢理かもしれないが。
トイレ首吊り男が真の黒幕ということで、精子送ってくれと言われて石鹸水送ったったわって言ってたけど、実は本物の精子を送っていてばら撒かれていることを想像してしてしまうような不穏さは良かった。
三樹夫

三樹夫