ryota

必殺仕掛人 梅安蟻地獄のryotaのネタバレレビュー・内容・結末

必殺仕掛人 梅安蟻地獄(1973年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

新作が気になっていたので、先に過去作品を見返すことにしました。もう数十年ぶりにみたこの映画、めためた面白かったです笑。まさに、ダークヒーロー映画の典型でした。今見ると新鮮な部分もありつつ、あれ、こんなに綺麗にハマっている映画だったのかと驚きます。

悪者がいて、被害者に代わって成敗する話ではあるものの、とにかく主人公・梅安のキャラクターが面白いです。鍼師というちょっと危険な役どころは、女好きだしやたらと笑って、周りのおばちゃんたちとも仲良くて、すごく街に溶け込んでいるんです。それが裏稼業になると途端に殺し屋になるのですが、不思議なことに裏表が極端に豹変しなくて、あくまでも梅安の日常になっているのが面白いです。緒形拳の色気と相まってすごく映画全体のオーラが感じられて、一気に見ちゃいました。「梅安蟻地獄」というサブタイトルはなぜそれになったのか謎なくらい、あっさりとした蟻地獄ではありましたが。「必殺仕掛人・藤枝梅安2」でよかったんじゃね?と笑いつつ。

もうね、悪役の小池朝雄と佐藤慶がそのまんま。殺しのマネジメントしてる山村聡とか病気のお嬢さんとか、秋野太作(ファンといってもいい)も、松尾嘉代のエロさも、みんなピッタリハマっていて、時代劇がこんなおもろいんかと感心します。ただ、あくまでもダークヒーローだから、大岡越前や水戸黄門のような爽快感はありません。それでも、大人のエンタメとして本当によくできた、素敵な映画だったのだなあと感心しました。ちなみに混浴のシーン、すげえ笑

とりあえず、シリーズを一通り見てから、トヨエツ版を楽しみに観にいこうと思います。
ryota

ryota