オクイチ

キス・オブ・ザ・ドラゴンのオクイチのレビュー・感想・評価

キス・オブ・ザ・ドラゴン(2001年製作の映画)
4.6
粗製乱造でおなじみ俺たちの欧州Vシネ制作会社ことヨーロッパ・コープが「どうせまた…(笑」とこちらを油断させた時に打ち込んでくる玉石混交の中のとびきりの「玉」

そして、マトリックスを断って125人のジェット・リーバトルロイヤル(実質1vs1)を選ぶなど作品選びの選球眼が岩鬼くらいに終わってるジェット・リー作品群の中でもウォン・フェイフォンの次に見るべき映画

俺たちが愛した質実剛健の集合体ことジェット・リーが余すことなく見れる傑作

ホテル、船、警察署とシチュエーションを活かしたアクションシークエンスの多彩さ

多対一から中ボス金髪角刈り兄弟、ラスボスチェッキー・カリョと
対戦相手まで千差万別

これなのよ
余計な味付けも過度すぎるワイヤーもいらんのよ
「素材のままのジェット・リーを世界に放てばどうなるだろう?」俺たちのワクついた期待をハリウッドが潰してきた中で、キッチリ形にした制作陣はスタンディングオベーションです。ありがとう

悪役のチェッキー・カリョも素晴らしいクソっぷりで、リュック・ベッソンはもう一人のスタンスフィールドを見つけたんじゃないだろうか
というか、まんまスタンスフィールドなんだけども

ブリジット・フォンダもたしかに「可哀想な娼婦顔」よね、と納得
娘に会えるかも…、とする直前に服を整えたり母親のマインドに切り替える仕草とか演出がしっかりしてる。ホンマにヨーロッパ・コープなんかな?

そしてやっぱり舞台の中心はジェット・リー
ただ怒りを静かに溜めで、黙してぶちまける。最期の「さ、さすがにやりすぎだよぉ」とこちらが気を使うまでのザマァフィニッシュまでダレる事なく一気に駆け抜ける

劇場で観て、パンフを買って、DVDを借りて、配信で何度も観て、そして今回久々に配信で見返したので頭の中のログを吐き出したらまあ、長文になりましたね

ジェット・リーが動けた内にこのタイプの映画をあと6本は見たかったことが無念
オクイチ

オクイチ