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うる星やつら オンリー・ユーのarchのレビュー・感想・評価

4.1
うる星やつらTVシリーズを一切観てない上で鑑賞。
単純にめっちゃ楽しい作品だったってのが先ずの感想。
鬼ごっこで結婚を迫られる羽目になったあたるが主人公のシリーズにおいて、本作で登場するエルが結婚を迫る理由が「影踏み」という対称的な児戯なのが面白くて、そもそもラムとエルで実像と写像(シルエットや虚像とも言い換えられる)で対象としたものの差があるのだろう。
ラムに関してTVシリーズ見てないから分からないが、エルは間違いなくあたるに理想(幻想)を抱き、そこに思いを馳せていた。そしてその姿勢ってアニメを始めとしたフィクションに想いを馳せる観客の感情に等しい。それこそ、あたるがじゃけにするラムに多くの人がガチ恋していただろうことを思うと、終盤の過去回想における「エルの影」と「あたるの足」の間にある距離に虚構と現実の間にある遠すぎる距離を感じるのだ。そう思うと一見追いかけているあたるに感情移入するが、その踏んだ瞬間に感情移入の対象がエルに変わる不思議な感覚がある。

「結婚」とか「結婚を拒む理由」とか、その辺に対して"何故?"が説明されないので勝手にそういう話なんだろうなと思って観てた。

結婚に突入するシーンはFF10のシーモアとユウナの結婚式を思い出したし、エル星の設定はGotG2を思い出した。
押井守感があったのかはよく分からん。

昨今のハーレム作品にありがちな大いなる潮流にただ受動的な主人公でなく、クズだとしてもNOを主体的に出来る主人公だったので楽しかったです。。
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