mizuki

風が吹くときのmizukiのレビュー・感想・評価

風が吹くとき(1986年製作の映画)
4.4
ぜっっったいに体調がいい時にみたほうがいいやつ。「死亡者○名」という数字を見たとき、どうやって亡くなっていったのかなとか、痛かったかな辛かったかな苦しかったかなを考えると自分が辛くなるから普通やめますよね、この映画はそこをあえて考えさせてきます。
全てが残酷なのにアニメと映像との組み合わせが巧みで美しく、色彩も美しく、心に訴えかけてくるものが多すぎる。残酷さと美しさが両方襲ってきたら死ぬ。雪だるまの絵本はあんなに優しかったくせに!笑

戦争経験者でさえ、怖い記憶は消えるものだ。脳がそのようにできているから。
「戦争時代、あれはあれでよかったよね。万が一のためのシェルターで眠るのが好きだった。」と回顧、「本当に起こるのかな〜。」と他愛のない会話。これ以上のものを望もうと思えば望めるけど、充分な生活。
そのような何でもない生活(何かが欠けているようで、なんだかんだそれが一番幸せな環境)、それを営む人間を一瞬にして壊す。壊れていくシーン、怖すぎて涙が出た。他人事ではないと感じるから。
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