なまくらウォッチメン

唇からナイフのなまくらウォッチメンのレビュー・感想・評価

唇からナイフ(1966年製作の映画)
4.2
007の亜流という意味で『カジノ・ロワイヤル(1966)』的かと想像してたが、それほどコメディに振り切ってるわけではない
ただ、敵も味方もおバカだから牧歌的にも感じられて、これはこれで好き
元々ゆるゆるだったリアリティラインがミュージカルで完全に崩壊するのも良い

モニカ・ヴィッティが変な格好をしてるのをただ2時間楽しむ様なものだけど、所々ジョゼフ・ロージーらしいカットもあって、ちゃんと作家性も味わる(007と違って意図的にプロパガンダから外してる辺りも、らしいなと思える)

ジャンプカットで髪型と衣装が一瞬で変わる演出はゴダールへの目配せだろうか