意味のない会話だけなのに、飽きない不思議さ。
思い出したのは『ラバー』（超能力に目覚めたタイヤが怪電波で人を殺すというお茶目な映画。なお、プールに沈められたシーンなどは荘厳な静止画だった、例のあれ）の冒頭シーン、数々の映画をあげて「No reason」と連呼して、特に意味はない、と言うだけのあれ。『ラバー』をめちゃくちゃ面白くしたら、今作になるかも（ならんな）、なくらい特に意味のない会話と長回しだった。でも、好み。
タランティーノ監督作は何作か観ていたけれど、今作は今回が初見。大昔にDVDを買おうとしたかだったけど、プレミア価格で撃沈。すっかり観ていないことを忘れていたけれど、この間、Blu-rayの廉価版が出たので安価にて購入できました。他の作品を見ていてタランティーノ監督の良いなと思ったところが濃縮された映画でした。他のまだ観ていないタランティーノ作品も見ようかな。それくらい今作はいい感じで好みでした。
一番観ていて心地よかったのは環境音が入っていること。つまり、雑音だらけ。あちらこちらで登場人物以外も動いていて生活している音が入っているので、それが雑談シーンをさらに際立たせていて観ていて疲れなかった。長い映画ではあるけれど、そうした普段から溢れている雑音だらけで展開するので、登場人物たちの会話もそこそこの集中度で聞き流せるので疲れない。その辺りの匙加減が絶妙で、センスあるなぁ、と。
そらヒットするわな。
特に意味はない。けど、それがいい。
